メンタルヘルス研究

これは誰にでも起こりうる物語。レビュー:この地獄を生きるのだ

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イーストプレス出版、小林エリコ著
この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで
を紹介します。

うつ病で20代を塗り潰された著者の、「再生」を描いたお話。
壮絶、の一言。

だけどこの本を読んでる途中でこう思いました。ヒトゴトではない‥

これは俺の物語だ。

Im alone,not alone?

僕が休職して間もない頃、図書館で一冊の本を借りました。
うつ病経験者がうつ病から復帰した人にインタビューをしてそれを本にしたって作品です。

この本に出てくるうつ病復帰者は三ヶ月から半年の休職で復帰していました。
うつ病になったトリガーはなにか?は語られましたが僕が知りたい
うつ病で休職の最中、どう過ごしたか、どんな葛藤があったか?は描かれてませんでした。

彼らは普通に恋愛して普通に働いて普通に復帰していった。

普通、には生きられない、そんな思い込みのある僕は最後まで読むことができませんでした。

彼らは、俺とは違う。

田中圭一さんの漫画でうつヌケという本があります。
レビューも書きました(本のレビュー:うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち)。
この本も鬱を抜けた人たちのインタビュー本です。
登場人物と、田中圭一さんの「うつ病と向かいあうんだ!越せないものじゃない!人間は脆いけど、つえーぞ!」そんな想いを強く感じた。

映像作家、小説家、ミュージシャンとちょっと普通でない人生の人が多く、そうでない人も前のめりに
伝えなきゃ、誰かのタメに」そんな姿勢を感じます。

彼らは、僕とは違う、でも、
(彼らの言葉は受け入れることはできなくても、受け止めなければいけない、)
そう僕は思うことができました。

今回紹介する
小林エリコさん
「この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで」
長らくうつ病と闘い続けた本人の自叙伝です。

冒頭にも書きましたが読んでる途中、こう思いました。

これ、俺の話だ‥

この地獄を生きるのだ(小林エリコ)はワタシカワイソウな人生、ワタシカワイソウな物語ではない

このブログ、気分変調性障害と共に、を書くにあたって一番やりたいことは僕の人生を書くことでした。
大体1記事1500文字で22記事に至る僕の人生。
できるだけユーモアを交えて書いた、つもりですが、読後感は常に荒涼としていて寂しいものになってると思います。
ブログで人生を書く、これはありきたりな行為だけど書く上で一つ注意があります。

それはワタシカワイソウな自分を前に出さないこと。

これがあると1人ヨガリになりがちです。書くことでその発想は具現化して、そのまま怒りになります。
ワタシカワイソウ、は書いてもいい、でもユーモアは忘れないでほしい
とは心がけて書いてはいたけど、僕が人生シリーズを書ききったエネルギーはまさにコレでした。
ワタシカワイソウ‥そんな嘆き
悩みを紙に書くとすっとするよーと云います。
僕の場合は悩みが書かれたことで具現化し、襲ってきます。
実際人生シリーズを書き終えた時は血みどろでした。

さっきでてきたコレは他人の物語だ、と感じさせたインタビュー本は、ワタシカワイソウに触れないように、また書かないように避けていた気がします。

うつヌケはそんなワタシカワイソウ漫画というユーモアで表現した上で立ち上がる人の美しさを描いているように思います。

この地獄を生きるのだ(小林エリコ)に描かれるワタシカワイソウあらすじ

さて、「この地獄を生きるのだ」は‥

短大を卒業後、工口漫画専門出版社に勤務。
が、その会社はスーパーブラック手取り12万の社保無し。
残業は終電までがデフォ。
これだけ働いて、ワーキングプア‥

大抵就職したては春休みのバイトのほうが稼げたワイ辞めたろか、はあるある。
でも冬のボーナスを貰って目がドルマークになってこれも悪くないか、と思うもん、らしい。
僕の場合はボーナス8万円でした、同級生の手取りにやっとボーナス込みでおいつけました。人生⑭いまでも納得できないはなし正社員編
収入が低くてもやりがいを、といいますがそれは収入ある程度あった時期を持つ人の言い分です。
収入が低いと、惨め、に感じる

そしてうつ病になった著者はODをして病院に運ばれます。ここまででわずか7ページ

東京からそう遠くない地元に戻って療養生活。
入院し、服薬をし、24才でバイトも決まらず(これは僕的にはやり方が悪かったんじゃないかなと思いますが)
新しく出来た心療内科、これはデイケアも併設しており、そこで生活保護を薦められます。
そして生活保護を受けている生活の呵責から再びODをして病院に担ぎ込まれます。

このODのやり方が、僕と同じ方法だった。
詳しくは書かないけどドラッグストアなら普通に買えるモノです。
僕の場合はよく使っていたもので、耐性があったのか、酷い二日酔いのような症状だけですみました。

このクダリをみて思った。
これはの人生において起こり得たことだ。
そして、ここから書かれていることは僕の人生において、起こりうることだ

そんなこんなで彼女は30才を迎えます。
抑うつによって塗り潰された20代という青春時代。
書こうと思えばそれだけで一冊本が書けると思いますが、174Pの本のうちの一章分、34Pです。
もっともそこで一冊終わっていたらワタシカワイソウで終わってしまいます。

この地獄を生きるのだ(小林エリコ)は再生の物語

この本の序章にあたる「はじめに」、にこんな文章がつづられています。

そんな死ねなかった私が再生するまでのお話です。

傷病手当、生活保護を受ける、という苦しみ

現在小林エリコさんはNPO法人で働きながら活動をしています。
本でも触れられていますが出版のお仕事です。

そしてこの本の本当のテーマはうつ病になったワタシカワイソウ人生ではなく、
精神疾患をこじらせて生活保護を受けることになった著者が人生を取り戻すための奮闘記です。

僕は傷病手当を貰っています。
この傷病手当1年半という期限があります。
また、傷病手当を貰っている以上、例えアルバイトとしても仕事はできない、ということになっています。
傷病手当には期限がある、この本を読んだ後ではそれは会復帰の配慮だと思えます。

え?メンタルやられたの?病気になったの?1年半手当あげるから良くなってね、後は知らん。

大丈夫、そこが終わりじゃない、幸せな生活をするための「途中」だからサ☆

だけども生活保護には終わりがない。

でもって傷病手当と同様、生活保護を貰っている以上、仕事も気楽にできない。
それに、この本にはこう書かれている。

生活保護の打ち切り方の情報はネットに全然載っていない。

生活保護、を第三者から考察する記事はあっても、一人称で書かれた記事は少ない、ってことですね‥
そんな生活保護を受ける葛藤、憂鬱にまみれたワタシカワイソウな生活が続きます。

でもそれは「再生」に至る喜びを描くための前振りです。

この生活の中で、どんな再生をするのか、どんな喜びがあるのか、それは‥読んでください。

疾患を抱える人にも、そうでない人にも読んでほしい。

これは貴方にも起こりうるお話だ。

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2018/11/02富士さんたろうが記す

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